お座敷田植え
どんな伝承か
熊本県阿蘇郡小国町の江古尾地方では、ほんとうの田植えが終わった直後に、座敷の畳の上でお座敷田植えという予祝行事をおこなう。田植え完了を祝うサナボリがそれで、座敷は毎年回り宿制である。江古尾の人たち五〇人が総出で酒盛りをするが、宴なかばになると宴会場がたんぼに早変わりする。牛にふんしたふたりが牛のクラを背負い、田おこし、代かき、肥料ふり、田ならし、田植えと、ほんとうの稲作の型を実演する。あらかじめきれいに洗って乾した苗を野良姿の苗かつぎが配ってまわり、畳の上に張られた田植え綱にそって早乙女たちが田植えをしていく。にぎやかに植えればそれだけ豊作になるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。