大正九年四月のこと
どんな伝承か
大正九年四月、シベリア出兵中の本隊へ派遣されることになった大津歩兵第九連隊の新兵たちは、浦潮での赤衛軍のガイダ事件を受け、警備任務のため四月七日に大津を出発し、広島経由で九日夕に下関で御用船に乗船した。下関では女性たちが縄梯子を使い、後ろ向きに並んでリレー方式で石炭を運び上げる作業が行われた。夕暗に出港した御用船は玄海灘で高波と冷雨に見舞われ、船は大きく揺れて苦しい船旅になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 軍隊』を小話単位で全712話収録。徴兵・新兵・上官・戦地・戦争の残虐・敗戦・収容所・軍隊の怪談など、軍隊と戦争にまつわる兵士たちの現代民話を全国(一部は戦地・海外)から採集し話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明189話・市区町村判明76話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。