同じ場所で命を落とす家族と犬
どんな伝承か
旧川辺町、いまの南九州市川辺町の国道二二五号でのこと。車にはねられて動かなくなった飼い犬を片づけていた五十五歳の会社員の男性が、通りかかった軽ワゴン車にはねられ、二時間ほどのちに亡くなった。現場は見通しのよい片側一車線の直線で、商店の前ながら街灯はなかった。犬は数年来飼っていた雑種のチビで、綱を外して遊ばせたまま戻らず、自宅から三百メートルほどの国道の中央付近で死んでいた。妻とふたりで引き取りに行っての事故だった。同じ場所では以前、男性の母親も墓参りの途中にはねられて亡くなり、その一週間ほど後にもう一匹の飼い犬が同じ場所でひかれて死んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。