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三ヶ島の杉の煙騒ぎ

所在地埼玉県所沢市三ヶ島一区
年代終戦時分
登場昭和七年生の女性
出典所沢市史 民俗編

どんな伝承か

終戦時分のこと、三ヶ島一区のある家で、その家の裏にあった杉の大木の頂上から、夕方になると煙がたなびくのが見えて大騒ぎになった。しまいには年寄りが、煙が馬の形になって空へ出ている、昔ある家で飼っていた馬をいじめたからだと言い出した。ちょうどお茶摘みの時分だったので、娘たちは皆夢中になり、早く仕舞って見に行こうと約束し合って、その家を取り巻いて見物した。騒ぎは一週間ほど続いたが、近所の木伐りが杉のてっぺんまで器用に登って調べたところ、上で羽根の生えた蟻が大量に発生していた。蟻が飛び立つ様子が、下から見るとちょうど煙に見えたのだった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

所沢市史 民俗編(所沢市史・昭和中期(推定))

本書は埼玉県所沢市の民俗編として、明治から昭和戦中にかけて市内に伝承された怪談や民間信仰を記録した資料である。主な内容は、家に棲み着くヘビ、仏様が姿を変えた霊的存在、天狗やカッパなどの妖怪に関する伝承、雷獣などの民俗的存在が多く、これらは子供のしつけや禁忌事項として語り継がれていた。記録された話の多くは目撃者からの伝聞であり、所沢市内の実在する地名(北秋津、南永井、久米、本郷など)と結びついた地域固有の民間信仰を示している。

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