小ヶ谷戸の土蔵の影
どんな伝承か
昭和の初めごろ、宮寺の小ヶ谷戸で起きた土蔵の幽霊騒ぎを、何人もの人が語っている。没落して東京へ出た家があり、土蔵だけが残っていたが、そこに影が映ると評判になった。幽霊だと言って大勢が見物に押しかけ、まるで祭りのようににぎわったという。別の話者によれば、宮寺の大尽がつぶれた後の屋敷の蔵の壁に透けるような光が出て、落ちぶれた家の恨みが現れたのだと言われ、国分寺から自動車で見に来る人までいた。ある夏の騒ぎでは人影が映るとも、蔵に人がいたとも伝わる。
原典より
昭和の初めころ、宮寺の小ヶ谷戸(入間市)で、ある家の土蔵に影が映るといって大騒ぎになったことがあった。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。