背負い投げで飛ばした魚の包み
どんな伝承か
明治の半ばごろ、北郷のある男が大河原で魚を買い、ほろ酔いで帰る途中のことである。洞門近くの杉山にさしかかると、丈が一丈六尺もあろうかという大男に、背後から羽交い締めにされた。男は心得のあった柔術の背負い投げで相手を放り投げ、振り返りもせず麓の茶屋まで駆け下りて一部始終を話した。茶屋の老人が、生臭物を買ってこなかったかと尋ねる。言われて首に結んでいた風呂敷包みに手をやると、魚はすでに消えていた。投げ飛ばしたのは自分の大事な包みそのもので、まんまと狐にしてやられたのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承