草を刈った海軍墓地に浮かぶ人影
どんな伝承か
本土を目の前にしながら敵機の機銃掃射に倒れた幾十もの海軍将兵の亡骸を、島の人々が南の土手に手厚く葬った「海軍墓地」があった。訪れる人もなくなった墓地を気の毒に思ったある島民が、子どもを連れて草を刈りに行き、一通り掃除を終えて帰ろうとしたとき、子どもが「父ちゃん、あれは何だろう」と不思議そうに指さした。見るとそこに、旧海軍の服を着て帽子をかぶった人影が朦朧と浮かび、じっとこちらを見ていた。父親は背筋が凍りついたが、何でもないと子どもの手を引いて墓地を離れた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。