幻の唐桟の羽織
どんな伝承か
利根郡川場村中野の寺から来ていたHという人物の、昭和九年当時の体験である。当時、今の妻女Tちゃんの姉と夫婦になっていたが、妻の健康がすぐれず実家で療養させていたところ、七月に入り重体になった。七月十二日の夕方、寺の西で家族が外に出ていると、静かな下駄の音がして、今死にかかっているはずの妻女の姿が現れた。家族が声をかけても答えず、寺の中に入って消えてしまう。翌日、妻は息を引き取った。その後Hは、幽霊になって会いに来た人の妹と結婚し、村に移り住んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。