すだれに首を突込んで死んだ蛇
どんな伝承か
山裾で草を刈っていた農夫が、研ぎ上げた鎌の先で、足元に出てきた蛇をうっかり切りつけてしまった。悪気はなかったのだから堪えてくれと詫びると、蛇は首のあたりから血を流しながら草むらへ消えた。その晩は蒸し暑く、男は戸障子を開け放したまま眠ったが、風もないのに軒の簾が一晩じゅう乾いた音を立て続けた。夜が明けて男は息をのむ。前日傷つけた蛇が、部屋へ入ろうとしたのか簾の隙間に首を差し込み、そのままぶら下がって死んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)