尾池兼雄さん(昭和三年生まれ)の体験
どんな伝承か
大阪府泉北郡忠岡町、尾池兼雄さん(昭和三年生まれ)の体験。小学校四年生くらいの時、向かいのごうだ家のたまえというおばさんが亡くなった夜のこと。島では家に鍵をかけないが、その夜、家の表の戸がグワーッ、ガタガタガタと揺さぶられるように鳴った。誰が揺さぶっているのかは分からない。しばらくして止むと、今度は真隣りの家の雨戸をグワーッと鳴らした。後になって、母親と隣りのおばちゃんが、たまえは子どもが二人いるから子どもを頼むと雨戸を鳴らしたのだろうと話していた。その後、たまえさんの子を一人、尾池家が引き取って育てた。亡くなる二、三日前には、屋根すれすれを紫や赤や青にちかちか光る火の玉が飛ぶのも見たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。