芦北郡日奈久町の明治新開地で…
どんな伝承か
今から三十年ほど前、投げ網の名人だった久保仙太郎が、ある晩、明治新開の淋しい所でいつものように網を打っていると、かぼちゃほどの大きさのぐにゃぐにゃしたものが網に入ってきた。気味が悪いと思って水に蹴落とし、しばらくして畔道を家の方へ帰っていると、前から小さなガワッパが何十匹も列を作ってやって来て、さっきは有難うと礼を言い、相撲を取ろうと言い出した。久保は公役で腹が減っていると断って知り合いの家に飛び込み、おはつを食べて余りを額に塗って戻った。するとガワッパたちは、お前の眼から光が差して相撲が取りにくいと言って、みな逃げて行ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。