鎌瀬でヤマンシが人里に来て子を産んだ話をきいた
どんな伝承か
鎌瀬で、ヤマンシが人里に来て子を産んだ話を聞いた。ある日、柿迫村の老婆が一人で棲んでいる家に、三尺ほどの裸の女が訪ねてきて、自分はこんど初子を産むことになったが、初子は産が重いというから、小屋の隅でもいいから産室を貸してくれぬかと頼む。婆さんは気の毒に思って貸してやり、決して覗かぬという約束をした。一か月ばかり経ってまたその女が来て、お蔭で無事に産がすんだから山に帰る、御礼に金をあげるから、欲しい時はいつでもどこどこの木の下へ取りに来いといい残して立ち去った。行ってみると木の葉に金を包んで萱で結んであり、この金は婆さんにしか見えなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。