果ての二十日に汗をかく守り鉄砲
どんな伝承か
伯母ヶ峰から三里ほど北の柏木という里に、腕力も胆力も人に勝り、鉄砲の名手でもある栄造という猟師がいた。ある晩、玉を鋳ながら囲炉裏端の板に並べていくと、そばの飼い猫がその一つ一つに触れる。糸車を回していた老婆がこれを見て怪しみ、明日の山行きには隠し弾を忘れるなと注意した。隠し弾は名号を刻んだ玉で、必ず当たる代わりに一代に一度しか使えず、使えばその日限りで猟をやめる決まりだった。果ての二十日の朝、伯母ヶ峰へ入った栄造は古猫に襲われ、玉を撃ち尽くしたのち隠し弾で追い払った。里ではその鉄砲を庄屋に預けて村の守りとし、毎年その日に取り出してみると、決まって汗をびっしょりかいているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪伝説(小笠好恵・昭和中期~後期(推定))