箱根の魚を米に換える山男
どんな伝承か
相州箱根の山男は裸体で、木の葉や樹皮を衣としていた。深山にあって魚を捕るのを業とし、市の立つ日を知っていてこれを里に持って来て米と交易した。人に馴れて怪しむこともなく、売買のほかに多言せず、用事が終われば去った。その跡を追って行方を知ろうとした人もあったが、絶壁の道もない処を鳥が飛ぶように去るので、ついに住所を知ることができなかったという。小田原の領主からも、人に害を成す者ではないから必ず鉄砲などで撃つなと制せられていたので、あえて驚かす者はなかった。譚海巻十一に見える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。