宇筒越で大鹿を追う赤髪の老女
どんな伝承か
山中で生まれたと思われる山女は、諸方で人の目に触れている。土佐では槇山郷の宇筒越で、与茂次郎という猟師が夜明けに一頭の大鹿を撃ち留めたところ、たちまちその後から、背丈が一丈にも余ろうかと思う老女が現れた。髪は赤く、両眼は鏡のように光り、その鹿を追って来たのを見て猟師は動転したという。寺石氏の『土佐風俗と伝説』に記されている。熊野の山中でも、白い姿をした女が野猪の群れを追って出てくることがあると伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。