国境の嶺に並ぶ数十の塚
どんな伝承か
美濃・飛騨・信濃の三国境に近い三国山の頂上より八町ほど北へ出ると、美濃や飛騨の山々が遠く近くに見渡せた。嶺通りには数十の塚があり、遥かに御嶽の方へ列をなしていて、根笹がその上に茂っている。いずれの時代にか国境を定めたものだという。人が越えるための峠は渡り鳥の通路でもあり、去年仕掛けたままの鳥屋の跡や霞網の竿なども残っていたという。峠を越えて飛騨側へ下ると、岩がぬれた竹原川の源頭に至り、道連れとなってそのまま谷を下っていった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。