鹿島の彌勒踊
どんな伝承か
常陸鹿島のあたりの土俗の習いに、物の祝いなどある折、また祈事をする日など、老婆たちが多く集まり、弥勒謡といって各々声をあげて歌をうたい、太鼓を打って踊った。手を振りつつ踊るさまがいとおかしく、中昔の風と見えたという。この記事は『利根川図志』にあるが、後にわかったことは、これはこの本より数十年も前に出版された『鹿島志』からの全文転載であって、したがって安政年間までもこの踊が行われていたという証拠にはならない。ただ一方には鶴峯戊申の『海西漫録』に、これより少し前に鹿島宮へ参詣し、老女が蓆の上に坐してこの歌をうたうのを聴いたという記事もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。