弁天様と道祖神
どんな伝承か
むかし、弁天様が利根川から大須賀川をさかのぼって南敷の里に着き、仮の宿として五所神社に身を寄せた。弁天様は七福神で唯一の女神、しかも絶世の美人であったため近隣諸国で評判となり、多くの男神が求愛にやってきた。なかでも馬乗里の道祖神は特に熱心だったが、足が片方しかなかった。弁天様は道祖神を厭いつつも情に厚く、三年三か月毎晩通い続けよと難題を課したところ、道祖神は雨風構わず通い続けてしまう。困った弁天様は池の小島に社を建てて逃げ込み、丸太橋と番の白蛇で道祖神を阻んだため、道祖神は今も村の入口で弁天様を待ち続けているのだという。
原典より
そこで池のなかの小島に社を建てて逃げ込み、陸地との間には一本の丸太橋を架け、池には弁天様のお使いである白い蛇を泳がせたのである。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大栄町史 民俗編(大栄町)
『大栄町史 民俗編』は大栄町の町史の民俗編で、ここに収められているのは第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分だけである。北総台地にある町内の地区ごとに、源頼朝の鞍掛けの松、城主大須賀氏・伊能氏の話、弁天様と道祖神、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者の話、古墳の埋蔵金の話などを伝える。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐に化かされた体験とムジナの火の話を「〇」の箇条で並べる。