オズヌ主
どんな伝承か
普佐盛豊見親と同じころ、一四五〇年頃のこと。今の字伊良部の主長に豊見氏親という人がいた。義俠心が篤く庶民から慈父のように慕われていたが、当時、伊良部と平良の間の海に大きなサバが現れ、行き来する船を覆して人命を奪っていた。氏親は神々に祈願し、祖先伝来の脇差を帯びて、茅を積んだ小舟をただ一人で漕ぎ出す。大サバに躍りかかられて一口に呑まれたが、腹の中で腹を突き刺し腸を断ち、ついに倒した。村人が腹を裂いて救い出したものの氏親は息を引き取り、比屋地お嶽の側に葬られて、その副神として祀られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。