首の傷を温める鬼八と霜宮の移転
どんな伝承か
阿蘇大明神が石を的に弓の稽古をし、鬼八が矢を拾って仕えていた。あるとき大明神は鬼八の無礼に腹を立て、阿蘇南郷まで追い詰めて首を落とした。鬼八は雪や霜を降らせて田畑を荒らしてやると言い残し、天へ昇ったという。その言葉どおり季節はずれの雪が降り、霜も早く下りるようになったので、大明神が神として祀ろうと呼びかけると、鬼八は斬られた傷が痛むから温めてほしいと望み、阿蘇谷の真ん中へ降りてきた。その場所は金鉢と呼ばれたが村里から遠く不便だったため、後に今の地へ移されたという。祀ってからは霜や雪の害はやんだと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。