水無川
どんな伝承か
備前市に伝わる話である。弘法大師が大谷川沿いの麻宇那の里で水を所望したところ、里の者は、お前のような者に飲ます水はない、と断わった。大師が近くの狭間の里で同じく水を求めると、そこでは親切に飲ませてくれた。大師は喜んで、この村の水は涸れないようにする、と言った。それ以来、狭間では水が涸れることがなく、麻宇那では同じ大谷川でありながらすぐに水が涸れるようになったという。親条にあたる奈義町荒内では、那岐川で大根を洗う女が乞食坊主を侮ったために川の水が涸れたと語られ、いずれも旅の大師を粗末に扱った報いを説く水無川伝説である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。