栗を分けた子と石を投げた子
どんな伝承か
川上郡備中町の安田には、年に三度実をつける三度栗があるという。昔、腹をすかせた弘法大師がこの地を歩いていて、栗を採って帰る子供に分けてくれと頼んだ。子供は持っていた栗をすべて渡したうえ、もう少し採ってやろうと言って集めてくれた。大師は感激し、この親切の返礼に年三度実るようにしようと告げ、以来そのとおりになった。ところが備中から備後へ入った大師が同じように栗を求めると、子供は栗を渡さず石を投げつけた。怒った大師が栗を実らせぬようにすると言ったので、その土地では栗がならなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。