トップ > 広島県の伝承 > 府中市

焰硝の人形を呑んで裂けた大蛇

所在地広島県府中市(七ッ池)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第10巻

どんな伝承か

府中の本村から金丸へ越える道の傍ら、山頂の広く平らな地に大小七つの池がある。山の上でありながら常に水を満々とたたえ、藩内一の水利で景色もよい。昔この池に大蛇が棲み、品治郡安井の柏の山にも大蛇がいて雌雄をなしていたため、互いに通っては近隣に大きな害をなした。柏の大蛇は勇武の者に討たれ、その跡を蛇切が峠と呼ぶ。残る大蛇は山腹の岩屋寺の僧を幾度も夜のうちに連れ去った。人々は大きな人形の腹に焰硝を詰め、衣を着せて僧が寝ているように装う。大蛇は人形を丸呑みにして帰ったが、火が焰硝に移って胴腹が裂け、のたうって死んだ。池の頭の広野は赤い地となって草木が焦げ、その跡を蛇摺と呼ぶ。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。

種別から探す

大蛇退治地名由来

府中市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本伝説大系 第10巻』の伝承