八つの銚子で猿神を斬った男
どんな伝承か
その土地の宮には猿という人食いの神がいて、年に一人ずつ人身御供を求めた。差し出す娘は箱に入れて御殿へ据える決まりで、順が当たった家はどれほど大事な娘でも出さねばならず、村は難儀していた。ある年、娘を箱に納めて供えたところへ一人の男が現れ、言うとおりにせよと告げて自ら娘に化け、箱の中へ入った。やがて現れた猿とも蛇体ともつかぬものが、箱のそばに置かれた八つの銚子の酒を飲むたび、男は刀を振るって斬りつけ、ついに退治したという。今も上村の在所では八つの銚子を供えると伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。