竹筒で犬を打った稲荷と戌の日の麦
どんな伝承か
むかし唐の国から、稲荷さんが竹筒のなかに大麦の種を入れて持ち帰ってきたところ、犬に吠えたてられた。稲荷さんは手にしていたその竹筒で、犬を打ち殺してしまったという。この一件があったために、戌の日には麦まきをするものではないと言い伝えられてきた。もし戌の日に種をまけば、その年の麦を食べられない者、すなわち死人が出るのだと戒められている。麦の渡来を語る話の多くは弘法大師を主人公とするが、この土地では稲荷が種を運んだことになっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第4巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全89話(栃木・群馬・茨城=北関東)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。