梨の実らぬ「無しの木村」
どんな伝承か
弘法大師がこの地方を巡っていたとき、梨ノ木村に立ち寄った。村の入口で若い女が洗濯をしており、折しも梨の実る季節だった。大師が一つ分けてほしいと頼むと、女は嫁に来たばかりの身で梨一つ自由にはできないと言って断った。大師は、自分にとってもこの女にとっても村の梨の木は無いのと同じだ、いっそ無しの木の村にしてしまおうと考えたという。翌る年から、この村の梨の木は実をつけなくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。