信濃の甲斐徳本の墓
どんな伝承か
信濃国下諏訪東堀村尼堂には、寛永七年(一六三〇)に百余歳で没した名医、甲斐徳本の墓がある。墓のそばの小石を持ち帰って痛む所を撫でたり、その小石を洗った水を湯にして飲んだりすると効験があるとされ、効き目があれば小石を二倍にして奉納するため、墓の周囲には小石が山のように積もっているといい、名医の霊験にあやかろうとする民間療法の一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 第3――生活慣習と迷信(文部省迷信調査会・日本の俗信・昭和30年(1955))
文部省迷信調査会『日本の俗信 第3―生活慣習と迷信』(昭和三十年)。昭和二十一・二十五・三十年の三次にわたる全国国民慣習(迷信俗信)調査の集大成で、岸本英夫委員長のもと今野圓輔・古畑正秋・赤松金芳らが分析した。第一章では調査の経過・目的(術者と方術/妖怪霊魂つきもの/迷信に関連する人々/林業漁業食物の俗信)と15問の調査票による全国統計、迷信に肯定的/否定的な人々の属性分析、農林業・漁業従事者の迷信を扱う。