法成寺の八龍石
どんな伝承か
法成寺には八龍石と呼ばれる石が二つあり、一つは徳円寺の本堂の中庭に、もう一つは八剱社の本殿の下にある。徳円寺の石は、五百年以上前に社も建てずに八大龍王を祀っていたころの本体だという。あるときこの石をムラの氏神の八剱社へ移そうとすると、晴れていた空がにわかに曇って大雨となり、何度試しても同じだった。そこで石は元の場所に残し、身代わりの石を八剱社へ移したと伝わる。もとは男女一対の石で、明治初年の神仏分離で一つを八剱社へ移したときにも大雨になったという。明治末年より後は、この石に雨乞いをしたことはない。
原典より
すると、快晴の空がにわかに曇り、大雨となって移すことができなかった。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。