氷室山八葉蓮華寺――弘法大師の雨乞い
どんな伝承か
天長三年、交野から大和にかけて日照りが続き、植えた苗はほとんど枯れてしまった。困り果てた村人が国司に訴え、知らせを受けた天皇は弘法大師に雨乞いを命じた。大師は傍示が獄、すなわち龍王山に登って八大龍王をまつり、請雨経を読んだ。すると四方に黒い雨雲が湧き、竜が雲に乗って天に昇るかのように暗くなって雨が降り出し、村人は生き返ったように喜んだ。天皇はこの功をたたえて八大龍王をまつる八葉蓮華寺を建て、その下に八つの坊を置いたという。山之坊・栴檀坊などの地名が残る。
原典より
天皇はその効をおほめになり、八大龍王を祭る寺を建て八葉蓮華寺と号し、その下に八つの坊を建てられた。—— 交野市史 民俗編――伝説(交野市(編)・交野市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
交野市史 民俗編――伝説(交野市(編)・交野市史)
『交野市史 民俗編――伝説』は、交野市が編んだ市史の民俗編から伝説の章を収めたものである。交野の各地に伝わる池・古墳・寺社・地名にまつわる伝えを集め、産所とよな池、弘法大師の蚊封じの池、獅子窟寺の再建の由来、小松寺の起こりなどを、所在地や文献の記述を添えて記す。郡津・倉治・私部・森・寺・傍示・私市・星田の八地区を節に立て、地区ごとに話を並べる。