灰で雁を落とし婆に殺される爺
どんな伝承か
「雁取爺」は、正直な爺が犬の墓に植えた松で作った臼を焼き、その灰を撒いて雁の目をつぶし落とすという昔話である。真似をした隣の爺は誤って灰を自分の目に入れ、屋根の上から転げ落ちてしまう。脇野沢で語られるものは前半を欠き、灰で雁を落とすところだけを伝えている。さらに、屋根から落ちてきた爺を、その妻である婆が雁と取り違えて叩き殺してしまった、と続けて語られる。こうした残酷な結末は、東北地方の「雁取爺」に共通する特徴なのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。