字を書いて埋めた再生譚
どんな伝承か
勝山で心中した人が出たとき、その遺体の頭に字を書いてから葬ったという。すると後になって、頭にその字が記された人が長野県で生まれた。長野県からは、心中した人の墓の土を分けてもらいに勝山まで人がやって来た。その土でこすれば字が消えるとされていたからだという。死者に印を付けて葬ると、生まれ変わった先の体にその印が現れるという再生の言い伝えで、勝山で聞き取られた話である。
原典より
勝山で心中した人があったので、その人の頭に字を書いて埋めたら、その字が書いてある人が長野県に生れ、長野県から心中した人のお墓の土をもらいにきた。—— 群馬県多野郡上野村の民俗 下(群馬県民俗調査報告書 第2集) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 下(群馬県民俗調査報告書 第2集)
『群馬県多野郡上野村の民俗 下(群馬県民俗調査報告書 第2集)』は、群馬県多野郡上野村の民俗を調べた報告書の下巻である。この写しは「十二、講・妖怪・その他」の章だけで、八日見山・峠様・榛名様などの代参講、庚申講、トラ祭りと、勝山・新羽の両地区で聞いた山犬・オサキ・狐に化かされた話・再生・カッパ・オニンババの足跡などの話を収める。お札や庚申塔の写真を添え、近藤義雄の撮影と記す。