菜の花畑と薪の奥座敷――狐の化かし
どんな伝承か
菜の花畑が満開のころ、ある男が『おお怖い、おお怖い』と言いながら畑の中を行ったり来たりしていた。よく見ると狐がいて、尻尾を右へ振れば男は右へ、左へ振れば左へと、尻尾のままに歩かされていたという。女化稲荷のあたりでの出来事と語られる。別の言い伝えでは、狐に化かされた者が池のほとりに積んだ薪を奥座敷と思い込み、障子を開けて上がったつもりが池に飛び込んでいた。出された汁にはミミズがいっぱいで、それをそばだと思っていたという。
原典より
狐に化かされて、池のそばの薪を積んだところが奥座敷に見えたんだって。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、第七章「口承文芸」の伝説・世間話を収めたものである。竜ケ崎地区で聞き取った狐のお産や狐に化かされた話、狐憑き、幽霊屋敷、生まれかわり、家の主の蛇、龍ヶ崎の大火、首吊り榎、神木のたたり、源頼政の旧跡、鏡田などを、話し手の口調のまま載せる。話の末尾には多く話者の町名と性別を記し、生年か採録日を添える。昔話の一部には「大成」の話型名を付す。