信州の小僧が一晩戻らぬ話
どんな伝承か
昔、ある家に信州から小僧に来ていた十七、八の若者がいた。親が使いに出したところ、いつまでたっても戻らない。近所の人や消防まで頼んで家じゅう大騒ぎになり、一晩じゅう探し回った。やがて利根川に近いあたりの田んぼの中を、泥だらけになってあちこち歩き回っているところを見つけた。家からまっすぐ行っても二里はある所で、本人は自分がどこを歩いているのか全くわからなかったという。当時、狐につかれたのだと皆に言われた。
原典より
一晩中、ええ、もう、自分でもどこ歩いてんだかわかんないって。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、第七章「口承文芸」の伝説・世間話を収めたものである。竜ケ崎地区で聞き取った狐のお産や狐に化かされた話、狐憑き、幽霊屋敷、生まれかわり、家の主の蛇、龍ヶ崎の大火、首吊り榎、神木のたたり、源頼政の旧跡、鏡田などを、話し手の口調のまま載せる。話の末尾には多く話者の町名と性別を記し、生年か採録日を添える。昔話の一部には「大成」の話型名を付す。