門松を見て正月を知った里
どんな伝承か
横須賀市秋谷の子安は、山あいの部落である。『新編相模風土記稿』には、里の人がこの地を正月知らずとも呼ぶとあり、その由来として、昔ここの住人が薪を売りに里へ下りたところ、どの家にも門松が立っているのを見て、はじめて正月が来ていたのだと知ったからだ、と記されている。この言い伝えはいまも子安に残っているという。長門の豊浦吉母や周防の室津のあたりにも正月知らずという名の場所があり、そちらでは、正月を二、三日過ぎてから門松を売りに来たので売れなかったからだ、というおろか村話になっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(神奈川県(県史講座)・神奈川県の歴史・民俗講座)
『神奈川県の歴史 県史講座要録 第6(県下の民俗篇)』所収の伝説と昔話。神奈川県の伝説を、柳田国男の研究を踏まえて論じる。