命の恩人の墓を守った大沼の源吾
どんな伝承か
中村地区大沼の源吾さんは死産で生まれたが、立ち会った医者の手当てで命を取りとめた。源吾さんはこの恩を一生忘れず、医者が存命のうちは盆と暮れのあいさつを欠かさず、亡くなった後も盆暮れの墓参りを続けた。気がかりだったのは、医者に跡取りがいなかったため、自分が死ねば墓を守る者がいなくなることだった。そこで医者の墓を自家の墓地の上座へ移し、過去帳を調べると戒名が一番下の位だったので、墓石には本名を刻んで参り続けたという。
原典より
中村地区大沼の源吾さんは、死産で生まれましたが、立ち合った医者に助けられ、一命を得ました。—— 真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)
『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。