重箱と餅まきで賑わう馬頭観音
どんな伝承か
馬は昭和三十年代に耕運機などの農業機械が広まるまで、どの農家にもいた。その守り神として広く信じられたのが馬頭観音である。黒沢の馬頭観音は旧暦三月十七日が縁日で、人々は重箱にごちそうを詰め、餅や甘酒を持ち寄って一日を楽しく過ごした。子供たちは撒かれた餅を拾うのに興じたという。屋敷の内に馬頭観音を祀る家では、二升の餅を供え、小さな丸餅を撒いて、それを馬に食べさせた。信仰は村の内にとどまらず、村の外の馬頭観音へ参ることも盛んであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史・自治体史(民俗))
『天栄村史 第4巻(民俗編)』第六節ほか所収の憑依と怪異・呪術・神社伝承。福島県天栄村に伝わる信仰と怪異を採録する。