かんねづか(念仏の入定塚)
どんな伝承か
下石戸下の向郷に「かんねづか」と呼ばれる場所がある。桶川〜松山線の石見屋のところの信号から桶川の方へ向かい、大蔵寺を過ぎて坂を下り始める西側の辺りをいう。かんね塚は鉦塚か鉦音塚であろうといい、次の話が伝わる。昔、道端の藪の中で一人の老人が念仏を唱えながら鉦を叩いていた。それが幾日も続き、近所の人が食物を運んでも食べようとせず、死を覚悟しているようだった。鉦の音は夜になってもやまず、風に乗って響き渡り、近くの家の人はもの悲しく感じた。やがて音は途絶えがちになり、ついにぷつりと消えた。のぞいてみると老人は往生していたという。一種の入定塚と見られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北本市史 第6巻(民俗編)――伝説(北本市(編)・北本市史・自治体史(民俗))
『北本市史 第6巻(民俗編)』第十一章所収の伝説。埼玉県北本市に伝わる口承を採録する。