狐が入れなくなった下井の稲荷
どんな伝承か
明治七年のこととも、昭和に入ってからともいう。下井では木造だった稲荷の社を、石造りの立派なものに建て替えた。するとその晩から毎夜、キツネが社のまわりで悲しげな声をあげて鳴き続けるようになった。よく調べてみると、石で造ったために、それまで縁の下にすみついていたキツネが入り込めなくなっていたのだった。いまさら建て直すわけにもいかず放っておくうち、鳴き声はいつしか聞こえなくなった。下井の稲荷に狐の像がなく、代わりに狛犬のようなものが置かれているのはそのためだという。
原典より
明治七年とも、昭和になってからの話だともいう。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史・自治体史(民俗))
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)』第一章所収の民話と伝説。茨城県利根町の文・布川・文間・東文間各地区に伝わる口承を採録する。