大曽根八幡の重い御輿
どんな伝承か
大曽根八幡神社の祭りで神輿を担ぐことになり、村の総代たちが浅草まで買いに出かけた。神輿など見慣れていない総代たちは、何を選べばよいかわからず、大きいものほど良い神輿だと思い込んだ。田舎者と見抜いた神輿屋は、注文が流れてほこりをかぶっていた山車用の飾り神輿を、安くしておくと冗談半分に勧めた。重さは一トンもあったが、店で一番大きいので総代たちは手付けを置いて帰り、村じゅう総出で船を出して引き取ってきた。もとは山車に載せて引く神輿なので重く、祭りで落とさない年はなかったという。明治の中ごろに新調したものだと伝わる。
原典より
この御輿は山車の飾り御輿で一トンもある重さだった。—— 八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)
『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、埼玉県の『八潮市史』民俗編から伝説の部分を収めたものである。市内の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名や塚の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて並べる。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分け、話の群ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』などを引いた参考を付ける。