蔵の主・八幡様の白蛇
どんな伝承か
大曽根の話者の隣にある新井さんの家には、昔から蔵の主の蛇が住んでいた。いま生きていれば八十歳近い人が、生まれてから徴兵の年になるまで住みついていたといい、奥行き二間の蔵に表口から入って裏口から頭を出しても、まだ尾が入りきらないほどの大きさだった。この主のおかげで新井家には鼠が一匹もいなかったという。また、大曽根の八幡様の主は白い蛇だという話もあり、境内にはよく蛇が住んでいた。
原典より
蔵は奥行二間もあったが、主がトボからヘーり、セドから頭が出ても尻尾はヘーり来っていなかったでっかさだった。—— 八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)
『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、埼玉県の『八潮市史』民俗編から伝説の部分を収めたものである。市内の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名や塚の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて並べる。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分け、話の群ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』などを引いた参考を付ける。