拍手を打つ男に落ちた拝殿の鈴
どんな伝承か
北島好孝が杉本神社についてもう一つ語った話である。同じ町の人で、息子が伊予の宇和島へ行っている者があった。その男がある日、杉本神社へ参詣し、拝殿へあがって拍手を打っていると、上に釣るしてあった大きな鈴の緒が断れて頭の上へ落ちてきた。傍にいた神官が見つけて駆け寄ると、男は頭に負傷して気絶していた。近くの三宮という医師の許へ担ぎ込んで手当てをしている最中、男の家から電報を持った者が追いかけてきた。その朝、宇和島にいた息子が病気で死んだという知らせで、子の死んだ親は参詣してはならないと止めに来たのであった。神官は、あの鈴が断れるはずはない、やはり忌服のある者が参詣したからだと言った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
日本怪談実話(田中貢太郎)/幽霊と怪光の実話/怨霊と祟り・因果/死の前兆と怪音/各地の怪異実話