石井ふゆの財布当て
どんな伝承か
子の病の祈禱を頼んだ女行者石井ふゆの話を妻から聞いた浅野和三郎は、横須賀の家の近くにあるふゆのもとを自ら訪ねた。そこは信者が集まり、太鼓や拍子木に合わせて賑やかに経をあげている所だった。なぜ普通は見えない物が見えるのかと問うても、ふゆは信心のおかげと答えるばかりなので、浅野はすぐに試してみたくなり、財布を出して中の金額を当てさせた。ふゆは信者と一しきり経を唱えてから答えたが、その額は一銭も違わなかった。浅野はその後も子の全快を約束された日まで何度か通い、遠く離れた物の透視や当てものが的中するのを幾度も体験したという。
原典より
彼は財布をとりだし、「この中に金がいくら入っているか、あててみてもらい。」といった。—— 第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年))
『第四の世界―心霊現象のなぞをとく』は、田中千代松が一九六〇年に著した心霊現象の解説書である。予言・千里眼・霊聴・霊言・自動書記・サイコメトリーなどの霊能から、幽霊の体験記、物質化した霊像、叩音、物体移動、心霊写真、ルルドの奇蹟、起訴された霊媒、デューク大学の超心理学までを、日本と欧米の事例を交えて扱う。東京大学教授後藤以紀の推薦文とまえおきに続く十六章で構成し、むすびで心霊研究のあり方を論じる。