客に縋る娼妓の幽靈
どんな伝承か
若い頃東海道を旅していた語り手は、雨に足止めされ藤枝の宿場外れの宿に泊まった夜、蚊帳の外から若い女に枕を繋ぎ合わされる怪異に遭った。翌朝女中に尋ねても娼妓はいないというが、近くの茶店の老婆に話すと顔をしかめ、その宿ではかつて梅毒で客を取れなくなった娼妓が主人に責められ、舌を噛んで死んだという。以来その怨霊が毎夜現れ、客には身の不幸を訴え、客がいない夜はすすり泣いているのだという。その後その家は空き家になっていた。
原典より
* 火を起し湯を沸す幽靈* 行司の見た幽靈* 新俳優の見た幽靈* 貞女の幽霊と勝四郎* 三人見た白い手の幽靈* 他女の體に宿る幽靈* 伯母の幽霊が暇乞* 幽霊の髪を剃る* 改葬を頼む幽…—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))