新城の坂でバックミラーに映る女
どんな伝承か
青森から弘前へ抜ける国道七号線が新城に差しかかるあたりには、長い上り坂がある。数年ほど前の雨の晩、その坂の頂で若い女が車にはねられて亡くなった。以来、雨脚の強い夜に坂を登ろうとする運転手が何気なくバックミラーへ目をやると、濡れた髪を顔にはりつけ、真っ青な顔から口に赤い血を伝わせた女が映っているという。事故で命を落とした女が車を恨んで現れるのだろうと、運転手たちは語り合った。北彰介編『青森県の怪談』にみえる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。