河童の腕と腕返しの術薬
どんな伝承か
『和賀郡昔話』に見える話である。小田島大炊之介の屋敷は、裏手が北上川に接していた。その川に棲む河童が雪隠に入る女たちの尻を撫でるので、大炊之介は妻の着物を着て入ってみた。案の定、尻に触れるものがあったのでその腕を斬り落とすと、筋が太くおそろしく大きな腕であった。法師に祈禱させて封じておくと、幾日かして河童が現れ、自分の腕を返してほしいと願い出た。戒めたうえで返してやると、河童は目の前で腕を切り口に継ぎ、すぐに振り回してみせた。その礼に腕を継ぐ術薬の作り方を教わり、子孫の家にいまも伝わるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集