鍋墨の怪・死人が生まれ代わる(北越奇談)
どんな伝承か
死を悲しみ、再び生まれ代わるようにと死体に墨で印や文字を書いて葬ると、次に生まれた子に同じような印や文字が現れるという。明治四十三年、岐阜県竹の鼻町の国島兵助夫妻が生んだ子にも「文」の字が現れて大騒ぎになり、当時の岐阜日々新聞に掲載されたそうである。また関谷村大島の農家では、生まれて三日で死んだ孫を悲しんだ老母が、指三本に茶がまのすす墨をつけて死んだ子の腹に塗って埋葬したところ、一年ほどのちに生まれた赤子の腹に三つ指の跡が黒くつき、十歳ごろまで消えなかったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・昭和53年(1978年)8月5日発行・北の街社(青森市))
青森市在住の医師・大高興が昭和53年に北の街社から刊行した、お化け・幽霊・心霊現象の総合啓蒙書。