セッショウの山で射たクチナワ
どんな伝承か
猟師の甚七は、セッショウと呼ばれる山へ猪を狙って出かけた。待ち伏せていると何かが動く気配があり、そのまま射たところ、獲物ではなく大きなクチナワを射てしまう。命からがら家へ戻った彼は、翌年の五月まで床から起きられなかった。二、三年してその場所を確かめに行くと、あばら骨の片側が二十センチほど残っていたという。以後、飛ぶ鳥を落とす勢いだった甚七の家は傾き、妻は信心に入って霊が降り、多くの人を救うようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)