青野原
どんな伝承か
神奈川県津久井郡青野原では、天狗のいたずらの話がいくつも語られた。話者が若い頃、近所の者と組んで道志川で瀬干しという漁をした。野々の少し先に良い場所を見つけ、夕方から仕度をして水を外へ流し、火を焚いて瀬が干し上がるのを待つうちに夜が更けた。すると向こう岸からポツンと石が飛んできた。誰かの悪戯かと思う間もなく石は次第に大きくなり、ガラガラとひっきりなしに落ちてくる。「ほれ親方がお出になったぞ」と、皆で頭をかかえて逃げ帰った。翌朝その瀬干場へ行ってみると、あれほど飛んできた石の跡形もなく、瀬は干し上がっているのに魚は一匹もいなくなっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。