由来は語られないが鏡坂と呼ばれる坂があり
どんな伝承か
京都府南桑田郡(現・高槻市域)の樫田村から東別院村柏原へ通じる山道に、鏡坂と呼ばれる坂がある。その右手には、半ば土に埋もれた岩があった。昔はこの岩の上面が鏡のように光り、通行人はそこに自分の姿を映して身なりを整えていたが、ある時誰かがこの岩に糞を垂れてからは光を失い、曇ってしまったという。口丹波の口碑集に収められた話である。姿を映す石の伝説は各地にあり、福井県南条郡の鏡ヶ岩、滋賀県坂田郡の鏡岩、奈良県吉野郡広瀬の弘法大師の鏡岩など、いずれも岩面が鏡のように人の姿を映したと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。