20. 狸寺の怪
どんな伝承か
富士の南麓の杉田村に、安養寺(一名、狸寺)という禅寺がある。戦国のころ、名僧とうたわれた住職秀睦のもとへ、西国から美しい顔立ちの若僧が修行に訪れた。住職は快く受け入れたが、寺の利口な番犬だけはこの若僧を見ると激しく吠え、若僧も犬を避けて逃げ隠れた。たまりかねた若僧は諸国修行に去る。十年後、番犬も住職も死ぬと若僧が再び現れて住職になったが、煙草の火を嫌い、灯も持たず夜道を歩き、顔が十年前と全く変わらないなど不審が募った。正体は狐狸の化けたものと噂されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪伝説(小笠好恵・昭和中期~後期(推定))